低用量ピルは、卵巣からもともと出ている2種類のホルモン（卵胞ホルモンと黄体ホルモン）が配合された錠剤で、正しく使用する事で、女性が自ら生理や妊娠をコントロールできる薬です。「生理痛が強い」「経血量が多い」などの生理に伴うトラブルも改善する事が出来るため、女性のQOL向上を目的として広く使用されています。
現在日本では、月経困難症・子宮内膜症の治療を目的としてピルを服用する場合は保険が適用されます。一方で、避妊や肌荒れの治療を目的とする場合は健康保険適用外となり、自費のピルをご案内いたします。




また、ピルの内服による注意点もございますのでご確認ください。

• ●ピルの飲み始めはマイナートラブルと呼ばれる症状が出ることがあります。
  →吐き気や頭痛、胸の張り、だるさ、不正出血など
  これらの症状は、内服を継続すると1－2 か月程度でおさまりますのでご安心く
  ださい。


• ●注意の必要な副作用として、血栓症のリスクがあります。
  血栓症とは、血液の一部が固まって血の塊（血栓）となり、血管が詰まってしまう病気です。足の血管に血栓ができる深部静脈血栓症以外にも、詰まる箇所によって肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞といった重篤な病態に繋がります。
  血栓症は低用量ピルの内服開始後3か月以内での発症が最も多く、注意が必要です。
  診察時は問診や血圧測定、採血検査等で血栓症の兆候やリスクがないかを確認させていただきますが、気になる症状がございましたら医師にお伝えください。
  
  また、下記に該当する人は血栓症のリスクが高くなり、ピルの処方をお断りする場合もあります。
  （必ずしも内服ができないわけではなく慎重に投与ができる場合もございます。）



• ・喫煙者
  ・高度肥満
  ・40歳以上の方
  ・脳梗塞などを生じやすいとされる閃輝暗点
  （目の前がチカチカするような頭痛）のある片頭痛をお持ちの方
  ・高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある方
  ・すでに血栓症の既往がある方、または血栓症に関する
  疾患にかかられたご家族がいる方

また、血栓症が心配な場合は黄体ホルモン製剤のご案内をさせいただく場合もございますのでご安心下さい。
生理痛やPMSの改善、経血量の減少、避妊効果など、低用量ピルを内服することで女性のQOLを向上させる様々な効果がございます。
まずは一人で悩まず、来院いただき、どのようなお悩みがあるのかをお聞かせください。